横隔膜と呼吸

横隔膜(Diaphragm)は、胸腔と腹腔を分ける薄いドーム型の薄い膜状の重要な吸気筋です。
ドームは、頭方の腱中心を頂点とし、周囲は胸壁と腰椎に固定されています。
横隔膜は感情との関連性が高い筋肉で、ストレス、不安、悲しみで呼吸が浅くなり、拘縮します。

収縮すると腱中心は下がり、全体的に平坦化します。その結果、胸郭が長さと直径が増えて、肺の外側の圧力が下がります。そのため、圧力が等しくなるように、空気が肺の中へ流れこみます。
この際、腹腔は容積が小さくなるため陽圧となり、横隔膜によって内臓は下方に押し下げられ、腹部が膨らみます。下面右側の肝臓と大腸、左側の胃・脾臓、横行結腸、後側の腎臓は、横隔膜によりマッサージされています。

腹圧を高めれば圧力は横隔膜を下から押し上げる力となり、腱中心は上昇して胸腔内に戻り呼気となります。
その際、横隔膜上面にある肺の収縮を促し、心臓のマッサージをしています。
これは腹式呼吸と言われます。

大腰筋と腰方形筋は、下面で横隔膜と接しているため呼吸の影響を受けやすい筋肉です。

【機能】
横隔膜の働きにより、各筋線維が収縮し腱中心が引き下がり、ドーム状の屋根は徐々に平らになり胸腔内圧が低下し、吸気が可能となります。安静時でも横隔膜は10cm以上、上下することがエコーによる確認することができます。5cm未満の場合は、横隔膜の拘縮が疑われます。

吸気専用の筋肉は横隔膜のみで、呼気は他のインナーユニットを形成する3つの筋肉が関与します。

【分類】
この筋の停止部は腱(腱中心)であり、その周囲を筋線維が取り囲み、胸骨・肋骨の内面、腰椎に付着しています。

牛の横隔膜は、ハラミです。腰椎部はサガリといい、肉厚で特に美味しいと言われています。薄い部分はスカートと呼ばれソフトカルビとして売られています。

表.横隔膜の起始部による分類
部位 起始 停止 作用 神経支配
胸骨部 剣状突起後面 腱中心 横隔膜下制、
胸腔拡大 ・横隔神経(運動線維と交感神経線維を含む)
・副横隔神経(知覚性であり、臟側胸膜に分布)
肋骨部 第7~12肋骨・肋軟骨内面
腰椎部 L1~4内側脚及び前縦靭帯

図.横隔膜下面観察

【運動療法】
肺の下部まで空気が入ると中位・下位胸郭は横径拡張といって横に広がる特徴があります。
横隔膜の運動低下による下位胸郭のキャリパー運動不全は首・肩の緊張や心肺機能の低下はもとより、内臓や腰椎・腰部などにも影響を及ぼします。

呼吸運動では、先ず横隔膜の動きを引き出すことによりリアライメント効果も高まり、他のインナーユニットの筋肉も働きやすくなります。
コアスタビライゼーションでも呼気とともにポジショニングを誘導します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です